コラム
「AIモデルの性能」ではなく「AIの使い方のデザイン」を。新入社員と制作陣が語るAI体験デザインの視点
生成AIで個性を可視化しカード化する「変革スキルジェネレーター」
2026.05.26
2026年4月1日、ADKグループは91名の新入社員を迎えました。グループのバリューである「全員が、変革者。」が、今年の入社式のテーマ。入社式ではその一歩目として、最新テクノロジーを肌で感じ、ADKのクリエイティブを体感するための体験型AI筐体「変革スキルジェネレーター」が導入されました。
今回はこの取り組みや狙いについて、制作メンバー、人事担当者、そして実際に体験した新入社員たちに話を聞きました。
入社式に関するプレスリリース:https://www.adk.jp/news/111070/

―今回「変革スキルジェネレーター」、実際に体験してみていかがでしたか?
吉田(新入社員): 私は「裏主役」というスキル名のカードになりました。学生時代、バレーボールのセッターとしてチームを支えていた背景が、入力した短いワードからAIに読み取られた気がして驚きました。自分のポテンシャルを言い当てられたようで、その理想に近づきたいと思える良いきっかけになりました。
須川(新入社員): 僕は「他人軸以上、わがまま未満」というキャッチコピーを入れたのですが、結果は「迷子のレンタ」でした。自分の意図がそのまま反映されるよりも、AIによる「飛躍」や「変化」があった方が驚きがあって面白いですね。AIとの共創を楽しめました。生成されたキャラクターも困ったようなものになりました。
上野(新入社員):私は「ひらめき彗星」でした。能力にクリエイティビティも入っていたのですが、特にクリエイティブに関する入力はしていなくて。なのでAIの方で、オリジナリティを出してくれて、それが当たっていたなと感じました。
今回の体験は「AIモデルの性能云々」ではなく、「AIの使い方のデザイン」が主役。その視点が新しくて、日本が盛り上がる可能性を実感しました。
小塚:生成AIの性能だけで勝負しても、体験の質があがるとは限りません。大切なのは、すでに普及した技術を横展開する「枯れた技術の水平思考」の視点。
世間に普及したAIモデルは、高性能ではなくても手頃で改造しやすい技術です。枯れた技術と企画力を組合せることで、短期間で質の高い体験デザインを実現できる点が、企画やアイデア、表現を武器とする広告クリエイターが介在する価値だと思います。

―会場では、出来上がったカードを手に、同期同士で見せ合ったり交換したりする光景が広がっていましたね。この「驚き」を生み出しているシステムの裏側について教えてください。
伊藤:カードは、テキストデータと画像データをもとに生成されます。まず、新入社員が記入したテキスト情報と撮影した顔写真から、「ChatGPT」が、その人の個性を反映した「名前」と「変革スキル」を生成します。
次に、撮影写真と生成された「名前」、「変革スキル」をもとに、画像生成AI「Stable Diffusion」が本人の特徴を反映したキャラクターと背景を生成する仕組みです。
ちなみに、この体験型筐体は株式会社ピラミッドフィルムクアドラさんの協力により、「AI転生ビジネスカードバトル!よろしくデスマッチ!(通称:よろデス)」をアップグレードしたもので、企画・グラフィックなどは、AIX委員会*やADKグループのクリエイターが担当しました。
―筐体自体のデザインのこだわりを教えて下さい。
谷治:筐体はゲーム機のような佇まいで、パチパチとした操作感やみんなでも撮影ができることから「プリクラ的な楽しさ」を目指しました。AIというデジタルのツールを使いながら、最終的に「手触りがあるもの(カード)」を残せるのは、ある種「無邪気なAIの使い方」として、コミュニケーションを面白くするポイントだと思っています。
―AIだと意識せずに、自然に触れられるのがいいですね。
谷治:そうなんです。知らず知らずのうちにテクノロジーに触れられる、その「敷居の低さ」を大切にしました。操作ボタンの感触など、実感のある物理的な体験とデジタルを掛け合わせるギャップを楽しんでもらえたらと思っていました。
画角に入った人であれば複数人でもキャラクター化されるなど、みんなでもワイワイと楽しめる仕様にもなっています。筐体から流れるゲームBGMも、業界用語をAIに学習させて生成したオリジナル楽曲なんですよ。
(写真左)伊藤 陽人 (写真右)谷治 りりか
(写真右)小塚 仁篤
―デザイン面も好評でしたね。こだわりを教えて頂けますか。
森岡:入社式という場を「ビジネス一色」にせず、ゲームセンターにあるマシンのようなワクワク感を持たせることを意識しました。筐体のロゴやグラフィックには懐かしい「8ビット」のドット絵を採用したのですが、実はこれ、ツールでの自動変換ではなく、1ドットずつ手作業で「ぽちぽち」と打ち込んで制作したんです。
―すべて手作業だったんですか!
森岡:はい。ネットの変換ツールでは表現しきれないラインや、四角いドットの完璧な整列にこだわり、デジタルの中に血の通った手触り感を宿らせたかったんです。また、ADKカラーの「赤」を使いつつ、パステルトーンを取り入れることで、親しみやすい独自のバランスを追求しました。
(写真右)森岡 日菜子
―カードの裏面の「シャトルマーク」も印象的です。
森岡:ADKロゴの象徴的なモチーフであるシャトルマークを幾何学的にアレンジし、色んな色や形と掛け合わせました。「社会の波に流されず、自分の個性を色んな色と形のまま強く持って、そのまま育ってほしい」という願いを込めています。

―人事として、この企画に込めた戦略的な狙いについて教えてください。
所:一番の目的は、社会人としての初日に、ADK社員による「プロの仕事」を肌で感じてもらうことでした。特に今回のプロジェクトは、入社2年目といった若手メンバーたちが主導しています。「1年後には自分もこれだけの仕事を成し遂げているかもしれない」という未来像を、先輩の背中を通じて描いてほしいと考えました。
―あえて「手元に残るカード」にした理由は何でしょうか?
所:カードが同期や先輩との強力なコミュニケーションツールになるからです。また、AIはこれからの業務で避けて通れない領域ですが、同時に新入社員が先輩と同じ土俵でスタートできる「チャンスの場」でもあります 。その必要性とワクワク感を入社初日に伝えたかったのです。
また、CEOの大山も入社式の祝辞で「AIが答えを出す時代だからこそ、問いを立て、人の心を動かす『意志』が重要になる」と強調した通り、テクノロジーに人の意志と遊び心を乗せることの大切さを共有できた入社式になりました。
(写真左)所 祐毅 (写真右)入社式での祝辞の様子
―「変革スキルジェネレーター」が生み出したのは、単なるキャラクターカードではなく、91名の新入社員たちが自らの個性を武器に、広告業界に「変革」を起こしていくためのライセンスになりそうですね。皆さんのこれからの活躍が本当に楽しみです。

※「AIX委員会」ADKグループにおけるAIの自社内活用や、対外的な価値提供などのAI戦略を検討・実行する社内横断組織
Staf List
■ADK Holdings Inc./ ADK Marketing Solusions Inc./ ADK Creative One Inc.
Creative Director/Technologist:小塚仁篤(YOSHIHIRO KOZUKA)
ACT Planner/Producer :谷治りりか(RIRIKA YAJI)
ACT Planner/Producer:伊藤陽人(HARUTO ITO)
AD/Designer:森岡日菜子(HINAKO MORIOKA)
People Management Div:所祐毅(YUKI TOKORO)
■PYRAMID FILM QUADRA INC.
Interaction Designer:鵜飼陽平(YOHEI UKAI)
Engineer:高橋綾乃(AYANO TAKAHASHI)
Producer:清水龍輝(RYUKI SHIMIZU)
Profile
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ADKマーケティング・ソリューションズ EXクリエイティブ本部 NEXT GENクリエイティブ局/SCHEMA 小塚 仁篤 |
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ADKクリエイティブ・ワン 第3デジタル&アクティベーション・プロデュース本部 第2デジタルコミュニケーション局 谷治 りりか |
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ADKクリエイティブ・ワン 第3デジタル&アクティベーション・プロデュース本部 第2デジタルコミュニケーション局 伊藤 陽人 |
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ADKクリエイティブ・ワン デザイン・プロデュース本部 デザイン・プロデュース局 アートディレクショングループ 森岡 日菜子 |
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ADKホールディングス ピープルマネジメント本部 アクイジション&ディベロップメント局 所 祐毅 |
【お問い合わせ】
株式会社ADKホールディングス
経営企画本部 PR・マーケティンググループ 内山 e-mail:mspr@adk.jp





