コラム

動画視聴は「じっくり観」が主流!動画エンタメユーザーのインサイトに迫る「エンタメ総合調査レポート2025」を作成

ADKマーケティング・ソリューションズ(ADK MS)は今年、動画プラットフォームに特に注目した定量調査を実施し、広範なエンタメ領域におけるファンの動向や実態を分析した「エンタメ総合調査レポート2025」を作成しました。本記事では、先日当社より発表したリリースに加え、レポート内容をさらに詳しくご紹介します。

「エンタメ総合調査レポート2025」では、主に以下のテーマについてまとめています。

  • エンタメ市場の概況
  • 動画コンテンツの視聴トレンド把握
  • 動画プラットフォームにおけるファン分析方法と、ファン意識の深掘り・育成
  • ファン目線で捉えるゲーム実況動画
  • エンタメユーザーのクラスター分析

■ エンタメ市場の概況

ゲームや動画コンテンツを含むエンタメビジネス全体の市場状況を捉えました。

・日常で接するエンタメコンテンツとして「映画」がトップという調査結果に。スポーツの「ライブ配信」と「(生での)観戦」のようにデジタルとリアルで傾向に差がついたものもある中、デジタルにおける「映画」、リアルでの「映画館」がそれぞれ1位を記録している。

■ 動画コンテンツの視聴トレンド把握

昨今の動画視聴のトレンドを把握しながら、 動画プラットフォームにファンをつくる方法に迫りました。

タイパ(タイムパフォーマンス)を重視する価値観が注目されて久しいですが、今回の調査では、動画コンテンツの視聴時には意外にも全世代でじっくり時間を掛けて視聴するスタイルが主流であるという結果が明らかになりました。ADK MSではこの視聴スタイルを「じっくり観(み)」と捉えました。
・「好きなエンタメコンテンツ」として「映画」「ドラマ/バラエティー」「アニメ」といった動画コンテンツへの回答が上位に。
・また、エンタメファンを惹きつける「動画」を視聴するスタイルのトレンドを発見。

・調査を行った全ての年代において、休日や余暇で「じっくり観」の割合が高いという結果に。
・視聴時間帯は21時~22時が多く、一日の終わりにじっくりと動画を見る人が多い。

■ 動画プラットフォームにおけるファン分析方法と、ファン意識の深掘り・育成

当社のマーケティング事業では、商品・サービス・ブランドを支持し、売上・収益をもたらしてくれるだけでなく、他者にも影響を与えうる発信行動により情報の起点にもなりうる存在を「ファン」と位置づけ、「心理軸」と「経済軸」で定義をしています。

ファン分析のADKオリジナルメソッド『グロースカーブ』と『X-PACK』
当社が独自に開発したファン分析メソッドを活用して、商品・サービスにおける好意やファン意識を深掘りし、ファンの実態に迫ることや、ファンへと育てていく方法の検討が可能です。

今回の調査では、主要な動画プラットフォームに対して『グロースカーブ』および『X-PACK』による分析を行い、ユーザーからファンへと変化する「ファン因子」を探索しました。
ファン分析メソッド①「グロースカーブ」(左図)
ファン意識とビジネス成長の関係性を把握できるブランドコンディションマップです。横軸を「心理軸=ファンの量(ファン自認率)」、縦軸を「経済軸=ビジネス上の優良行動量」として、市場内の各ブランドをプロットしていき、そこに現れる近似曲線をグロースカーブと呼んでいます。ブランドがカーブのどこに位置しているかによって、採るべき戦略が変わっていきます。

ファン分析メソッド②「X-PACK」(右図)
心理軸と経済軸で、顧客を6つや8つなど任意の数のセグメントに分類し、顧客構造を捉えることができるファン構造フレームワークです。左右を「心理=ファン意識の有無」、上下を「経済=ブランドやサービス等に対する行動量」として、顧客を分類します。

動画プラットフォームにおけるファン意識の深掘り・育成
今回は、縦軸を「経済軸=メイン利用率」とおき、ファン自認率(横軸)との関係性を「グロースカーブ」で分析しました。
・ファン自認率が回答者全体で5%前後を超えると、メイン利用割合の伸び率が加速。
・グラフ波形としてはS字カーブを描き、早期のファン育成が重要である。

また、これらの主要動画プラットフォームのファンは、「じっくり観」の傾向が全体平均と比較して、より強まることも明らかになりました。
ファン分析メソッド『グロースカーブ』や『X-PACK』の詳細をご希望の方は、ページ下部の問合せ先へご連絡ください。

■ ファン目線で捉えるゲーム実況動画

ゲーム実況動画の視聴者にはどのような人がいるのか、実態を把握しました。

今回の調査で、ゲーム実況動画には若年層(10~20代)を中心に、多くの視聴者がいることが判明。また、若年層よりは値が低いものの、30~50代にも一定の割合で視聴者が存在することを確認しました。

そのほか、ゲーム実況動画の視聴者は、非視聴者に比べて以下のような傾向があり、
・ゲームプレイ頻度が高い
・好きなゲームジャンルが幅広い
・ゲーム内の課金額が高い
マーケティング活動における有望なコミュニケーションターゲットとしてのポテンシャルが窺えます。

■ エンタメユーザーのクラスター分析

エンタメを楽しむ人の嗜好性・価値観に迫り、紐解きました。

※クラスターは「集団」を意味する言葉。クラスター分析とは、複数の性質が混在した調査データから「似たものの“集団”」を作り、分類し、分析する手法。


エンタメユーザーの主要ニーズ

エンタメへのかかわり方は「7つのニーズの組み合わせ」で決定づけられており、ニーズの傾向によって「複数のクラスター」を設計しました。

6つのエンタメユーザークラスター

・推し活エンジョイ層:好きなジャンルや推しが明確に存在し熱狂的なクラスター
・刺激コンシャス層:予想を裏切る新しい刺激のあるエンタメを好むクラスター
・みんなとわいわい層:流行やみんなで盛り上がれるエンタメを楽しむクラスター
・やすらぎ没入層:心が動く感動的なストーリーや新しい知識・考え方に触れたいクラスター
・お気軽タイパ層:手軽に楽しめるエンタメをライトに楽しむクラスター
・コメディラバー層:エンタメにサクッと笑える楽しさを求めるクラスター

レポートでは、6クラスターそれぞれのエンタメの楽しみ方や重視する点、意識・行動などの分析結果をまとめています。本記事ではその中でも特徴的な「推し活エンジョイ層」・「刺激コンシャス層」・「やすらぎ没入層」をご紹介します。

●推し活エンジョイ層

好きなジャンルや推しが明確にあり、熱狂的に推すことでエンタメを楽しむクラスター。内向的でオタク自認も強く、常に最新情報を追いながら一人でじっくり楽しみたいタイプ。

●刺激コンシャス層

好きなジャンル内で予想を裏切る新しい刺激のあるコンテンツを楽しむクラスター。固定の推しや好きなコンテンツはなく、その時に気になったエンタメを没入して楽しむ。

●やすらぎ没入層

ストーリー性があり、感動するもの、新しい知識や考え方が得られるエンタメを好むクラスター。情緒的・知的な情報に惹かれやすい。

クラスター分析によるファインディングス
・エンタメは「みんなとわいわい」楽しむことが主流。
・エンタメを選ぶ際は「自分の好きなジャンル」かどうかが最重要。
・若年層は推しを見つけ、エンタメの楽しみをみんなと分かち合う傾向。
・中高年層はエンタメで笑い、癒され、個人的に感動する傾向。

ADK MSは、「エンタメ総合調査レポート2025」を通じて、今後もクライアント企業のマーケティング活動を支援していきます。

【調査概要】
目的:エンタメ全般・特に動画カテゴリーに関連する基礎情報・動向を収集し、実態を把握する。
対象エリア:全国
対象者条件:小学生~60代男女の各エンタメ遊戯者(動画視聴者を含む)
総サンプル数:1,860名
調査手法:WEB定量調査(インターネット調査)
調査期間:2025年7月26日(土)~7月28日(月)


【本件に関する問合せ先】
株式会社ADKマーケティング・ソリューションズ
 マーケティングインテリジェンス本部 稲垣/小松/大村/福井/前田
株式会社ADKホールディングス
 経営企画本部 グループ広報局
 PR・マーケティンググループ 丸山/根岸 e-mail:mspr@adk.jp

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