コラム

「ニュース・お知らせ」ページでCVR13%超え?AI時代に成果を出すコンテンツの意外な共通点|生成AI流入と自然検索流入の相関調査

PLAN-Bマーケティングパートナーズ調査

株式会社ADKホールディングスと株式会社PLAN-Bが設立したジョイントベンチャー、株式会社PLAN-Bマーケティングパートナーズ(東京都品川区、代表取締役:鳥居本 真徳)は、生成AIが普及したいま、どのようなコンテンツがユーザーとの新たな接点となり、成果(コンバージョン)につながっているのかを明らかするため、「LLM流入と自然検索流入の相関調査」を実施しました。

調査背景

ChatGPTなどの生成AIの普及は、ユーザーの検索行動を大きく変化させ、企業のWebマーケティング戦略にも影響を与えています。

従来の検索エンジンに加えて、生成AIからの流入はユーザーとの新たな接点となります。
とはいえ、検索エンジンを経由した「自然検索流入」と、ChatGPTなどの生成AI(大規模言語モデル=LLM)を経由して発生する「LLM流入」にはどのような相関関係があるのか、また、どのようなコンテンツが生成AIからの流入およびコンバージョンにつながっているのかは、まだ十分に明らかになっていません。特に、ページ単位での傾向を捉えた具体的な分析は今のところ少ないのが現状です。

そこで本調査では、PLAN-Bの運営する1,200本以上のコンテンツを有するマーケティングメディア「PINTO!」を含む、PLAN-Bドメイン内の全ページを対象に、「LLM流入」と「自然検索流入」の関係性を詳細に分析しました。また、ディレクトリやページ種別ごとに分類し、とくにSEO/LLMOで重要視されている「専門性」や「独自性」の高いコンテンツが生成AIにどのように評価され、流入につながっているのかという傾向も明らかにしています。

調査概要

LLM流入と自然検索流入の相関関係調査 2025
調査期間:非公開
調査対象:PLAN-Bドメイン(https://www.plan-b.co.jp/
調査方法:GA4を用いて、特定期間におけるページごとのLLM経由セッションと自然検索経由セッションを抽出し、相関関係を調査。

<調査結果の引用・転載時のお願い>
本記事の調査結果や画像を引用する場合は、「株式会社PLAN-Bマーケティングパートナーズ」の名前を明記のうえ、引用元として以下のリンク設置をお願いいたします。
https://www.plan-b.co.jp/news/ai_report_202508/

調査結果

■自然検索とLLM流入は正の相関、CVRはLLM流入が優位
ChatGPTなどの生成AIを経由した「LLM流入」と、従来の検索エンジンを通じた「自然検索流入」について、当社のWebサイトにおけるページ単位のアクセスデータを分析したところ、両者には正の相関関係があることが明らかになりました。つまり、検索エンジンからのアクセスが多いページほど、生成AI経由のアクセスも多くなる傾向にあることを意味します。

また、サイト全体のセッション数では、LLM流入の割合は1.00%と少数にとどまりましたが、コンバージョン率(CVR)は自然検索流入が0.45%、LLM流入は1.24%と、LLM経由の方が高い結果となりました。

この結果から、生成AIがユーザーの意図や文脈に合った情報を的確に提示できていることにより、コンバージョンにつながりやすい流入が生まれている可能性が考えられます。

■「ニュース・お知らせ」や「コンテンツ・メディア」でLLM経由の成果が高水準に
ページ群単位での分析では、「ニュース・お知らせ」カテゴリに属するページにおいて、自然検索と比較して、LLM経由のセッション数およびキーイベント(※)数が相対的に多いという顕著な傾向が確認されました。
※キーイベント:お問い合わせ、サービス資料ダウンロード、ホワイトペーパーダウンロード


この背景には、企業独自の最新情報やプレスリリースといった一次情報としての「独自性」が生成AIに参照されやすいこと、さらに他者から引用・参照されやすい「再利用性」を備えていることが要因として考えられます。

また、当社のオウンドメディア「PINTO!」を指す「コンテンツ・メディア」カテゴリにおいても、LLM流入のセッション比率は自然検索と比例して高まり、LLM経由のキーイベントも多く発生していることが確認されました。

この傾向は、メディア内のコンテンツがユーザーのニーズや文脈に合致した「双方向性」を持っているからであると推察されます。

■ LLM流入比率が高いページ種別は「業界特化」「事例」「調査」「おすすめ」
ページ種別ごとの分析では、自然検索に対するLLM流入の割合(=LLMセッション比率)が高かったページタイプとして、以下の4種が上位を占めました。

  1. 業界特化(2.74%):「〇〇業界×SEO」などのテーマで構成された、特定業界に焦点を当てた専門記事
  2. 事例(2.69%):お客様の導入事例や、事例を交えて特定のテーマを解説する記事
  3. 調査(2.32%):独自の調査結果やデータに基づいて解説された記事や、調査プレスリリース
  4. おすすめ(1.14%):「おすすめの代理店」「おすすめのツール」など、文字通りおすすめを紹介する記事

これらのページは、専門知見や一次情報に基づく「独自性」、読者の特定のニーズに沿った「双方向性」、他メディアからも取り上げられやすい「再利用性」のいずれか、または複数の要素を兼ね備えている点が共通しています。
そのため、生成AIによって「信頼できる情報」として評価され、LLM流入を多く生む結果につながっていると考えられます。

一方で、「◯◯とは」や「使い方」といった一般的な解説コンテンツは、LLM経由のセッション比率・CVRともに低い傾向が見られました。
これらのコンテンツは、自然検索では流入数が多いものの、今後の生成AIのさらなる普及に伴って、“無意味ではないが、かけたコストに対して得られるリターンが次第に小さくなる可能性が高いコンテンツ”になっていくと予想されます。

総括

今回の調査では、生成AI(LLM)経由のサイト流入と自然検索流入には明確な正の相関があり、特にLLM経由の流入はコンバージョン率(CVR)が自然検索より高い傾向にあることがわかりました。

ただし、その成果にはコンテンツの種類によって差があることも判明しました。 専門的な知見や一次情報を含む「独自性」、読者ニーズに寄り添う「双方向性」、引用・参照されやすい「再利用性」を備えたコンテンツ(例:業界特化記事、事例、調査など)は、特にLLMからの流入とCVRが高まりやすい特徴を示しています。一方で、「使い方」や「解説(〜とは)」などの、一般的かつ上記の要素を取り入れにくい記事は、流入は多くても成果に結びつきにくい傾向が見られました。

今後の生成AIのさらなる普及を見据えると、SEOに加え、生成AIに取り上げられることを目的としたコンテンツ設計が重要になります。自社ならではの一次情報や専門性を活かし、ユーザーとの対話を意識した発信を行うことが、検索エンジンとAIの双方から評価され、最終的なビジネス成果へと繋がる鍵となるでしょう。

<監修者>

株式会社PLAN-Bマーケティングパートナーズ
デジタルソリューション事業部 部長
出田 晴之

PLAN-Bに2018年新卒で入社。2023年にSEOコンサルティング事業部部長に就任し、2024年からはデジタルソリューション事業部部長に就任。大手下着メーカー、大手買取会社など、50社以上のSEOコンサルティングやメディア立ち上げを経験。事業戦略などの上位レイヤーからのSEO戦略設計を得意とする。
デジタルマーケティング情報メディア「PINTO!」でSEO分野の専門家コラムを執筆。
https://www.plan-b.co.jp/blog/tag/insights-from-experts/

PLAN-Bマーケティングパートナーズの「LLMO対策状況調査サービス」について

PLAN-Bマーケティングパートナーズが提供する「LLMO対策状況調査サービス」 では、企業のコンテンツ等の発信情報が生成AIにどのように認識・引用されているかを定量的に把握・推定し、生成AIによる流入への影響度を可視化することで、AI時代のマーケティング戦略最適化をサポートします。

生成AIによる引用率や、AI経由のセッション数・コンバージョン(CV)数の可視化に加え、競合との比較データなどをもとにLLMO施策の影響度を評価し、マーケティング全体の観点から優先度の高い順に整理した施策一覧をご提案いたします。

詳細については以下ページよりお気軽にお問い合わせください。
https://www.plan-b.co.jp/solution/seo/consulting/

【独自調査】「ニュース・お知らせ」ページでCVR13%超え?AI時代に成果を出すコンテンツの意外な共通点|生成AI流入と自然検索流入の相関調査

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