コラム

フルファネルマーケティングを実現する、「ADK顧客資本調査プログラム」 (「体験接点調査」編)

~認知から購買に至るまで。ファネル左側における体験接点の影響力を明らかに~

第1回目の「ADK顧客資本測定調査プログラム」特集記事ではプログラムの概要に関してお話しさせていただきました。第2回目の本記事では、本プログラムの中で、認知から購買にいたるまでの「ファネル左側(獲得型マーケティング)」(下図)領域をカバーする「体験接点調査(EX-PM調査)※1」に関してご紹介させていただきます。

消費者はさまざまな体験接点※2から、あらゆる情報を得てブランドの購買を決定しています。ADK MSではこの各体験接点の購買に対する影響力を明らかにするオリジナルの調査手法「体験接点調査」を2000年代初頭にローンチして以来、多様な商品カテゴリーのプランニングに活用して実績を積んできました。

※1 この調査手法は従来「EX-PM(Experience Point Management)調査」と呼んできましたが、ADK顧客資本調査プログラムの中に組み込むことを機に「体験接点調査」と名称を変更しました。
※2 ブランドと消費者が接するあらゆる接点です。広告などのメディアを含みますが、それ以外にもクチコミ、店頭などあらゆる接点を含みます。

体験接点調査の概要

見込み客が商品・サービス(ブランド)を購入して「顧客」となるまでには、それらを何らかの手段で知り、どこかのタイミングで購入しようと決断することが必要です。そのプロセスではテレビCM、SNS、自社ウェブサイト、クチコミ、店頭、販売員などさまざまな接点から得た情報が影響を与えています。体験接点調査では、これらの体験接点のうち何がどれくらいの強さで購買に影響したのかを消費者アンケートにより明らかにします。アンケートベースではありますが、消費者視点でみた場合のテレビCMとSNS、ウェブサイト、店頭など、全く異なる体験接点同士の影響力の比較が可能となります。調査結果は、プランニングにおける接点の組み合わせ最適化や、それらへの予算配分計画立案に活用していただくことが可能です。

体験接点調査の解析例

体験接点調査ではいくつか特徴的な分析フレームを用い解析を行いますが、ここでは代表的な分析フレームを2つ紹介します。
1つが「銘柄決定ステージとステージ別体験接点」です。これは購買プロセスを4ステージに分類し、購買銘柄(ブランド)を決める際の各ステージの情報の参考度と重視度、その際の情報源(体験接点)が何かを可視化する分析フレームです。下図は「旅行予約サイト」に関して行った調査結果例です。過去の利用経験や各旅行予約サイトから届くDMなどが購買に強い影響力を持っていることがわかります。

もう1つは「接点ウェイト」で、これは上記の分析結果を基に、各体験接点の購買への影響力の強さを同じ尺度で比較できるようにしたものです。例えば「旅行予約サイトから届くDMやメール」はスコア47.7で、テレビCMスコア30.4に対し約1.5倍の影響力があると判断します。ただしこれらの影響力はターゲット層によって異なるのでそれぞれの層で集計することが必要です。

今日ではかつてのように「大量のテレビCM投下+店頭プロモーション」でモノが売れる時代ではなく、複数の体験接点をコントロールしながら消費者に最適な情報や体験を提供することで、購買を促す取り組みが必要な時代です。そのためには各体験接点がどれくらい影響力を持つのか明らかにする必要がありますが、体験接点調査はそのニーズに応えてくれるでしょう。

次回、連載の最終回では、ファネル右側をカバーする調査手法である「顧客体験調査」についてご紹介します。

リンク:ADK顧客資本調査プログラムニュースリリース(2023.9)
リンク:フルファネルマーケティングを実現する、「ADK顧客資本調査プログラム」 (概要編)


株式会社ADKマーケティング・ソリューションズ
 DX推進局 データ&リサーチマネジメントグループ 宇賀神

株式会社ADKホールディングス 
 経営企画本部 PR・マーケティンググループ 伊藤 e-mail:mspr@adk.jp

ADK Marketing Solutions Inc.