コラム
【5市場2.3万人調査】海外展開でキャラクターはどう愛される?「Global IP Power Survey 2026」から学ぶグローバルマーケティング
2026.06.11
近年、アニメやキャラクターなどの「IP(知的財産)」を活用したマーケティングが世界中で大きな熱を帯びています。日本国内に留まらず、海外市場を見据えてIPタイアップやライセンスビジネスを検討・展開する企業も急速に増えてきました。
しかし、いざグローバル展開を進めようとすると、多くのマーケターが次のような壁にぶつかります。
「日本での成功法則が、海外でそのまま通用しない」
「国ごとにファン意識が違って、どこから手を付けるべきか分からない」
市場ごとに異なる文化やファンの心理を掴むことは、グローバルマーケティングにおける最大の難所と言えます。
そこでADK MSは、ADK EMと共同で、日本・北米・中国・タイ・インドネシアの5市場・約23,000人を対象とした大規模調査「Global IP Power Survey 2026」を実施しました。
本コラムでは、この最新の調査レポートから見えてきた、グローバルIPマーケティングを成功に導くためのヒントを担当者のコメント共に解説します。
■ 世界共通の「IP愛」、でも「体験の仕方」は国ごとに違う?
今回の調査において、「好きなIPがある」と答えた人が、対象となったすべての国で7割以上となりました。国境を越えて、世界中で「IPを愛する土壌」は確実に育っていることが分かります。しかし、その熱量の表れ方や「IPをどう体験しているか」という行動パターンを紐解くと、国や地域によって驚くほど大きな違いがあることが分かりました。
例えば、今回の調査から見えてきた顕著な傾向がこちらです。5か国共通で「配信サービス」がTOP5にランクインしていますが、首位チャネル(最も接触経験率が高いチャネル)は国ごとに違いがみられました。
- 北米:「食品」が42.1% (日常的な消費行動やライフスタイルの中にIPが深く溶け込んでいる)
- 中国:「映画館」47.7%(大画面でのシアター体験や、エンターテインメントとしての消費が強い)
- タイ:「アプリゲーム」が48.9%(スマートフォンを介したデジタルな顧客体験が圧倒的なタッチポイントになる)

つまり、同じIPを展開する場合であっても、市場の特性に合わせた接点創出が不可欠なのです。単に「人気があるから」という理由だけで日本と同じ施策を横展開しても、現地のファンの心にはアプローチしにくいという現実が、データからも浮き彫りになりました。
――データの集計結果を見て、担当者として『これは特に予想外だった!』『面白いギャップだ』と感じた国・地域ごとの傾向はありますか?現地のカルチャーなどの背景があれば教えてください。
「国ごとにIPの愛し方が全く異なる点が予想外でした。日本は自分の中で深く楽しむことに価値を置いており、「ひとりで深く掘り下げる」市場、米国はアニメをストリートカルチャーとして外に発信する自己表現ツール化が進んでいるため「積極的に”好き”を外に発信する」市場、タイはIPに対して「癒し」を求め、仲間と共有することを楽しむ市場、など各国の特徴が浮き彫りになりました。グローバルでのIP展開検討時には、これらの現地カルチャーを踏まえた戦略構築が不可欠だと考えています。」
■ ADK独自メソッド「浸透度×熱量」で、IPの現在地を特定
自社のIP、あるいはタイアップを検討しているIPが、対象の市場で「いま、どのように愛されているのか」をどのように見極めればよいのでしょうか。
一般的な市場調査では、認知度が主要な指標になりがちです。もちろん認知度は重要ですが、それだけでは各市場のファンの状態を正確に捉えることはできないと考えています。
そこでADKが開発したのが、「浸透度(市場内好意者率)」と「熱量(課金ファン率)」の2つの軸を掛け合わせて分析する独自メソッドです。この2軸で市場をプロットすると、IPの状況を以下の4つの象限(マップ)に分類することができます。

| メガヘビー型 (浸透度:高 × 熱量:高) |
市場規模が大きく、かつ熱量も高い状態 →既存ファンの熱量を維持し、次の価値を創出し続けるフェーズ |
| ヘビー型 (浸透度:低 × 熱量:高) |
市場規模は大きくないが、熱量の高いファンが存在する状態 →好意者の視野を広げ、市場を拡大するフェーズ |
| マス型 (浸透度:高 × 熱量:低) |
市場で広く知られているが、熱量は相対的に低い状態 →課金・継続関与の動線を整え、ファンを育成するフェーズ |
| 限定型 (浸透度:低 × 熱量:低) |
市場規模はまだ小さく、熱量も限定的な状態 →既存関与者の熱量を向上させ、市場を確立するフェーズ |
グローバルIPマーケティングを成功させる第一歩は、この「浸透度×熱量」の掛け合わせによって、ターゲット市場におけるIPの「現在地」を正しく特定することです。
――あえて『熱量』を掛け合わせた独自の4象限マップを使うことで、企業のマーケターは具体的にどんなメリット(判断のしやすさなど)を得られるのでしょうか。
「まず、IP・コンテンツ保有企業様にとってのメリットは、4象限マップをマーケティング課題特定にあたっての判断材料として活用いただけることです。
同じIPでも国によってポジションが異なることがあるため、現状のポジションに応じて目指していく状態の方向性・次に打つべき一手を検討することができます。
例えば『マス型(浸透度は高いが熱量が低い)』に位置する市場では、認知は既に獲得できていると判断できるため、ゲーム展開やグッズといった『課金・継続関与の導線を整える施策』に予算を寄せるべきだと判断できます。
逆に、別の国で『ヘビー型(市場規模は小さいが熱量が高い)』にいるなら、すでにコアファンは根付いているため、彼らの熱量を活かして『好意者の裾野を広げる(市場を拡大する)ためのプロモーション』に大きく投資すべき、という方針を立てることができます。
IPを保有していない企業様も、IPタイアップの検討時にこの4象限マップを活用いただくことで、マーケティング課題に合わせたIPを選定することが可能です。認知を獲得したい場合には多くの人に好感を抱かれるIPを、購買促進であれば購買力のある熱狂的なファンを持つIPを…など、目的に合致するIPを特定いただけます。」
同じIPでも国によってポジションが異なることがあるため、現状のポジションに応じて目指していく状態の方向性・次に打つべき一手を検討することができます。
例えば『マス型(浸透度は高いが熱量が低い)』に位置する市場では、認知は既に獲得できていると判断できるため、ゲーム展開やグッズといった『課金・継続関与の導線を整える施策』に予算を寄せるべきだと判断できます。
逆に、別の国で『ヘビー型(市場規模は小さいが熱量が高い)』にいるなら、すでにコアファンは根付いているため、彼らの熱量を活かして『好意者の裾野を広げる(市場を拡大する)ためのプロモーション』に大きく投資すべき、という方針を立てることができます。
IPを保有していない企業様も、IPタイアップの検討時にこの4象限マップを活用いただくことで、マーケティング課題に合わせたIPを選定することが可能です。認知を獲得したい場合には多くの人に好感を抱かれるIPを、購買促進であれば購買力のある熱狂的なファンを持つIPを…など、目的に合致するIPを特定いただけます。」
世界5市場・2万3,000人のデータが示す通り、IPマーケティングの成功を掴むためには、現地のファンが「どう楽しんでいるか」の文脈を理解し、自社IPの現在地に合わせた施策を打つことが極めて重要です。
ADKグループでは、マーケティングのプロフェッショナルであるADK MSと、長年アニメやコンテンツビジネスを牽引してきたADK EMがタッグを組み、今回の調査データを用いた高度な分析から、現地のカルチャーに合わせた具体的なプロモーション施策の実行までをワンストップでサポートしています。
■ 調査概要
・調査名称:ADK Global IP Power Survey
・調査手法:インターネット調査
・調査対象:3~59歳男女 ※IP関連業種従事者、トラップ設問での矛盾回答者を除外し分析
・調査エリア:日本/アメリカ/中国/タイ/インドネシア
・分析サンプル数:日本・17,161ss アメリカ・2,076ss 中国・2,060ss タイ・1,038ss インドネシア・1,038ss
・聴取IP:日本・アメリカ・中国・タイ 58/インドネシア 59
・調査実施:2025年11月7日~17日
■ 担当者
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ADKマーケティング・ソリューションズ ビジネストランスフォーメーションデザイン本部 IPビジネスプランニング局 局長 シニア・プランニング・ディレクター 末本 典子 |
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ADKマーケティング・ソリューションズ ビジネストランスフォーメーションデザイン本部 IPビジネスプランニング局 第2グループ グループ長 シニア・プランナー 高橋 麻緒 |
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ADKマーケティング・ソリューションズ ビジネストランスフォーメーションデザイン本部 IPビジネスプランニング局 第2グループ プランナー 金鋪 紗香 |
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ADKマーケティング・ソリューションズ ビジネストランスフォーメーションデザイン本部 IPビジネスプランニング局 第2グループ プランナー 西浦 陽 |
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ADKマーケティング・ソリューションズ ビジネストランスフォーメーションデザイン本部 IPビジネスプランニング局 第1グループ プランナー 片山 一 |
【本件に関する問合せ先】
株式会社ADKマーケティング・ソリューションズ
ビジネストランスフォーメーションデザイン本部 IPビジネスプランニング局
末本/高橋/金鋪 /西浦/片山 e-mail:ADK_IPBP_prj@adk.jp
株式会社ADKホールディングス(取材に関するお問い合わせはこちら)
経営企画本部 PR・マーケティンググループ 根岸/内山 e-mail:mspr@adk.jp






