コラム

「広告クリエイティブ」から「エクスペリエンスデザイン」へ。

CRX(クリエイティブトランスフォーメーション)による新規事業開発支援 ~前編:addict×NTTドコモ様「MetaMe(メタミー)」の取り組み~

                       左からaddict 藤本 勝也氏、NTTドコモ 百瀬 元気様

2019年に「Experience & Innovation Design」を掲げて立ち上げたクリエイティブブティックaddict広告クリエイティブからエクスペリエンスデザインへの変換を図りながら、クリエイティブビジネスの拡張にトライしています。
前後編2回シリーズにて、「CRX (クリエイティブトランスフォーメーション)」 による取り組みである、NTTドコモ様が技術開発を行うメタコミュニケーションサービスMetaMeに関して、NTTドコモ R&D戦略部 社会実装推進担当 百瀬元気様「以下  百瀬氏」と当社クリエイティブブティックaddict代表の藤本 勝也氏「以下  藤本氏」に「MetaMe」の概要および当社との取り組み、今後の展望に関して話を伺いました。

CRX(クリエイティブトランスフォーメーション)とは

―広告会社のクリエイターのスキルをビジネス構想段階にまで拡張して提供していく―

藤本氏日本はよく失われた30年と言われますが、僕が広告業界に入ってからの長い期間、日本では有意義なイノベーションがほとんど起こっていないということだと思います。一方で、世界を見ると様々なテクノロジーによって人々の想像を超える革新的なサービスやプロダクトが数多く生まれています。
広告会社のクリエイターという立場でも、この大きな日本の課題を解決するためにできることがあるんじゃないか?という想いがあリます。個人的に、クリエイターの能力ってまだクライアントビジネスのごくごく一部にしか活用できていないと感じています。おそらくクライアントのご担当者の多くは、広告クリエイターと聞くと「TVCMを作る人」くらいのイメージしかないのではないかと。

■CRX概念図


CRXの考え方、NTTドコモ様との取り組みとは―

広告クリエイターには大きく2つのスキルがあると思っています。

1.「想像力 ー 考えるチカラー」

2.「創造力 ー 作るチカラー」

広告クリエイターというと、一般的にはどうしても後者のイメージが強いですが、今後生成AIの普及で後者はどんどん厳しい世界になっていく気がしています。 一方で、広告クリエイターは1つのアイデアを生み出すまでに、大量のリサーチをしたり、ターゲットインサイトをとことん考えたり、世の中の動きから先の未来を洞察したり…と思考することにかなりの時間と労力を費やし、それを最終的にアイデアという形にするという作業を日々行なっています。 この2つのスキル=クリエイティブシンキングを、広告制作/プロモーションといったコミュニケーション領域だけではなく、ビジネス構想領域にまで拡張させていく。そうすることで、ビジネスの構想段階から実装段階の右脳レイヤーを包括的にサポートし、より共感度の高いサービスや社会的に意義の高いサービスを生み出していこう、というのがCRXの考え方です。いわば右脳コンサルのようなイメージです。この考え方は、クライアントの新規事業開発は勿論のこと、既存ブランドのリブランディングなどにも活用できると思っています。

このCRXの考え方で、addictでは2022年よりNTTドコモ様が取り組んでいる先進技術のユースケース創出や新規事業開発に関するご支援をさせていただいています。

MetaMe(メタミー)」

―「MetaMe」について教えてください。―

百瀬氏:2023年2月にβ版リリースを行い、今年で3年目を迎えた「MetaMe(メタミー)」は、通信インフラの進化を見据えた新たなコミュニケーション構想(メタコミュニケーション構想)に着想して生まれたサービスで、パートナーであるRelic様に事業運営をいただいております。私自身はNTTドコモが取り組むR&D技術の社会実装というミッションにおいて、技術提供や企画という立場でMetaMeの立ち上げ期から現在まで携わっています。サービス開始から2年が過ぎた現在では20万人超のユーザーにご利用いただき、個人向け・法人向けの双方で事業を展開しておりますが、単にメタバース空間を提供するだけではなく、仮想空間の場を用いた経済圏を生み出すための文化醸成や体験機会の提供のために、メタバース内や時にリアルと連動した様々なイベントを開催しています。

さらに、イベントの中でNFTや対話AIを備えたNPCを用いた検証施策を組み込むなど、web3領域を横断したユースケースの創出に関する取り組みも行っています。こうした取り組みは国内に加えて海外のアワードでのご評価にもつながっており、少しずつではありますが、MetaMeでの取り組みがユーザーに喜ばれる価値ある技術を提供する場になっているように感じています。

―今回「MetaMe」立ち上げに関して共創してみた感想は?

百瀬氏当社の前任者が別の新規事業開発プロジェクトでご一緒いただいており、藤本さんを紹介いただいたご縁でMetaMeの立ち上げをご支援いただきました。MetaMeというサービス名称すらまだない時で、我々にとって不慣れなクリエイティブ領域での業務支援というイメージから相談したという経緯でした。
技術を社会に実装するうえで、ブランドコミュニケーションを中心とした高い共感性と実績があり、ユーザー起点での体験設計を描けるaddict様のようなパートナーは非常に重要だと思っています。

藤本氏 2022年にザクっとしたサービス構想がある段階で相談をいただきました。まずは、サービスの構想やクライアントさんの想い等をヒアリングさせて頂き、それをベースにネーミング開発/ロゴデザイン開発を行いました。さらにブランドビジョンの開発やこれから実装していく具体的なサービス内容をビジュアライズしたビジョンボード作成を行い、現在は、β版でPoC的な施策を行いながら、機能改善を繰り返す段階の支援をさせて頂いています。百瀬さんの部署としても広告会社のクリエイターと一緒に仕事をすることは初めてで、最初はお互い探り探りな感じでしたが、3年経った今ではワンチームの形で非常にスムーズな支援ができていると思います。

<MetaMeからのお知らせ>
VTuber応援イベント「メタギフトラッシュ Vol.2」が8/31(日)まで開催中です。新宿の街頭ビジョンに放映されるライブ配信出演権をかけて、31名のVTuberがリスナーとMetaMeギルドをつくり、配信空間でメタギフトによる応援合戦を繰り広げています。ギルド加入や配信視聴でも参加VTuberさんへの応援ができますので、詳しくは公式Xフォローまたはプレスリリースをご確認ください。

・MetaMe公式X:https://x.com/MetaMe_Official
・プレスリリース:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000026.000141250.html

――後編へ続く

 ※後編では具体的な取り組み事例や今後の展開に関して伺います!


“Experience&Innovation Design“を掲げたクリエイティブブティック。クリエイティブビジネスの拡張にトライしながら、現在大きく3つの領域を中心に活動中。 
①ブランディング/コミュニケーションデザインといった領域。
②メディア以外を通してのブランド体験クリエイティブ領域。
③企業の新規サービス/新規プロダクト開発を支援するクリエイティブコンサル領域。


百瀬 元気 様
株式会社NTTドコモ R&D戦略部 社会実装推進担当 主査
電気通信大学大学院を卒業後、大手通信会社に新卒入社。モビリティ業界の法人営業に従事した後、MaaS(Mobility as a Servise)/スマートシティ領域の新規事業開発を担当し、スタートアップ出資や産官学コンソーシアムを通じた実証実験を推進。コロナ禍を機に地域産業支援として自ら起業による事業化を経験し、2022年より現職。MetaMeの立ち上げ期からサービス・プロダクト企画を担当し、2024年にはVTuber向けグランプリ企画「MetaMateグランプリ Vol.1」を開催。自らも運営スタッフVTuberとして活動する等、表現者を技術の力で支援するための活動に取り組む。

藤本 勝也
addict 代表 兼 Creative Director / Experience Designer
大阪大学卒業後、ADK入社。コミュニケーションプランナーとして様々なクライアントを担当。ADKと電通の出資によるクリエイティブブティック『Drill』の立ち上げにプランナーとして参画。ADKと1-10の出資による次世代型クリエイティブスタジオ『1-10imagine』の立ち上げに取締役として参画。2019年、ADKマーケティング・ソリューションズ内にクリエイティブブティック『addict』を立ち上げ、現在に至る。コミュニケーションデザイン/ 先端テクノロジーを活用した体験コンテンツ開発 /新規事業開発の伴走支援など、クリエイティブ力を核にしながら幅広い領域での体験価値創造に取り組む。

【本件に関する問合せ先
株式会社 ADKマーケティング・ソリューションズ
EXデザイン本部  addict 藤本
株式会社 ADKホールディングス
経営企画本部 PR・マーケティンググループ 根岸/大沢 e-mailmspr@adk.jp

 

 


    ADK Marketing Solutions Inc.