ニュースリリース
ADKマーケティング・ソリューションズ、ブレインパッドと共同でAIによって制作物の倫理的な問題の有無を一次判定し、担当者の最終判断を支援する「エージェント“リンリー”」を開発
「共創Labo」より「エージェント“リンリー”」™の提供を開始
2025.08.27
株式会社 ADK マーケティング・ソリューションズ(本社:東京都港区、代表取締役社長:大山 俊哉、以下 「ADK MS」は、株式会社ブレインパッド(本社:東京都港区、代表取締役社長 CEO:関口 朋宏、以下 「ブレインパッド」)と、ゲーム業界やコンテンツ産業向けの制作物に含まれる倫理的な問題の有無を、クライアント企業から提供を受けた基準に基づき、AIが一次判定することで、担当者の最終判断を支援する「エージェント“リンリー”」™を開発しました。
<エージェント“リンリー”™のイメージ図>
ADK MSは、ブレインパッドとともに、生成AIの活用推進を目的に「共創Labo」を設立し、マルチモーダルAI※1を活用して編集・参照業務の効率化を支援する共同開発ツール“Vision Link AI”※2をゲーム業界、コンテンツ市場などのエンターテインメント業界への展開を図り、クライアント企業に向けた提案や、新しい取り組みにもチャレンジしてきました。
「エージェント“リンリー”」™は、 “Vision Link AI”を展開する中で、クライアント企業より要望を受けて開発されました。従来は人が確認せざるを得なかった制作物の倫理チェックを、生成AIによって一部チェックを代替することが可能となります。クライアント企業から提供を受けたガイドラインや基準を学習した生成AIが、制作物の内容を一次判定することで、担当者の負担軽減を可能にします。
「エージェント“リンリー”」の開発背景と特徴
<背景>
一つのハンドサインを例にとっても、そのサインが意味するところや捉え方は国・地域によって異なります。従来、制作物の倫理チェックには、多くの知識と細部にわたる確認が必要であることから、その作業は属人化されやすく、また大きく工数がかかっていました。
「Vision Link AI」は、編集業務や販促企画時に過去の膨大なコンテンツを参照できるよう、タグ付けなしでアップロードした画像・イラスト・映像を、マルチモーダルAIにより意味づけできるように開発されました。そして同ツールが有する「画像から意味を理解する」という特徴をふまえて、「このツールを用いてゲーム開発の成果物に倫理的な問題がないかを確認できないか」との相談がクライアント企業より寄せられたことから、「Vision Link AI」の機能を参考にした「エージェント“リンリー”」の開発と検証が進められました。
<特徴>
「エージェント“リンリー”」は、国/地域/人種/コミュニティごとの倫理的な基準や、ゲームタイトルに付与される年齢制限の基準を学習し、画像・テキスト・動画すべての制作物を対象に、倫理的な問題の有無を判断できます。2024年8月~12月にかけて、検証結果を受けてPoC(概念実証)を行いました。大手ゲーム会社とのPoCでは、倫理チェックに関する工数を40%削減できるとの試算結果が出ています。※3
また、本ツールは海外の国/地域/文化での倫理基準も、クライアント企業のチェック担当者監修のもとで基準を設けることにより、アラートを出すことが可能な仕様です。
今後の展開
「エージェント“リンリー”」™を使用することによって、コンテンツの開発現場においても制作物の倫理問題の有無を細かく確認できるようになり、開発リードタイムの短縮も期待されます。既に大手ゲーム会社への導入が決定しており、今後はゲーム業界だけでなく、コンテンツ業界への導入や、チェック対象の広範囲化を予定しています。
●ブレインパッド 代表取締役社長 CEO 関口 朋宏氏のコメント
ブレインパッドは企業に「データ活用」というチカラを加え、その効能を隅々にまで巡らせることが、日本のビジネスを成功に導くチャンスになると信じています。ADK MSとの「共創Labo」の設立後、IPビジネスに関わる皆さまから多くのご相談をいただきましたのは、この領域においても生成AIの活用が期待されていることの表れだと思っています。今回の「エージェント“リンリー”」は、倫理チェックの有無を確認する担当者の工数削減だけでなく、日本が世界に誇る作品が生み出されるスピードの向上にもつながると思います。引き続きADK MSとともに、日本のIPビジネスの成長に貢献してまいります。
●ADK MS 統括執行役員 データ&ソリューション開発ソリューション統括担当 兼MI本部長 竹下 伸哉氏のコメント
IP・コンテンツビジネスの知見と経験を有する当社はファンとの絆を深め、ファンと共に新しい価値を生み出すことで、ビジネスの持続的成長に貢献し続けています。今回の「エージェント“リンリー”」は作品リリース後の炎上によりファンとの関係性が崩れてしまうことを、事前に防げる可能性があると思っています。多くの方に長く愛される作品のお手伝いができるよう、引き続きブレインパッドとともにエンターテイメント業界に貢献してまいります。
今後も、ADK MSはゲームやコンテンツ業界を中心としたクライアント企業のマーケティング活動を支援していきます。
※1 異なる種類の情報をまとめて扱うAIのこと。画像・音・テキストなど単一種類の情報から学習するのではなく、複数の種類の情報を一緒に学習して、より高度な情報処理を行うAI
※2 マルチモーダルAIという、テキスト・音声など2つ以上の異なるデータから自ら方法を収集し統合して処理するAIシステムを活用し、編集・参照など業務の効率化を支援。アップロードした画像・イラスト・映像をAIが意味付けし、フリーワードで検索可能にすることで、編集や企画などをする際に過去のアセットを容易に検索・活用できるようになります。タグ付けなしで画像などのデータの検索が可能なため、情報を容易に抽出でき、工数や業務の負荷を最小化できるツール
※3 大手ゲーム会社より提供された倫理基準を組込み、ワークフローをヒアリングしたうえで試算したもの
<株式会社ADKマーケティング・ソリューションズ 会社概要>
マーケティング領域全般における統合的なソリューションをフルファネルで提供。2021年に始動した事業ブランド「ADK CONNECT」がフラッグシップとなり牽引するデジタル&データドリブン・マーケティング領域では、専門性の高いスペシャリストが組織横断で集結し、クライアントのビジネス成果に貢献する「価値ある顧客体験」をご提案します。
・ウェブサイト: https://www.adkms.jp/
<本件に関する問合せ先>
株式会社ADKマーケティング・ソリューションズ
マーケティングインテリジェンス本部 竹下/北村
株式会社ADKホールディングス
経営企画本部 PR・マーケティンググループ 根岸/内山 e-mail:mspr@adk.jp