コラム

後編:「広告クリエイティブ」から「エクスペリエンスデザイン」へ。

CRX(クリエイティブトランスフォーメーション)による新規事業開発支援 ~後編:addict×NTTドコモ様「MetaMe(メタミー)」~

(左から) addict 藤本 勝也氏、NTTドコモ 百瀬 元気様

前編に続き、「CRX (クリエイティブトランスフォーメーション)」 による取り組みである、NTTドコモ様が技術開発を行うメタコミュニケーションサービス「MetaMe」に関して、NTTドコモ R&D戦略部 社会実装推進担当 百瀬元気様(「以下 百瀬氏」)と当社クリエイティブブティックaddict代表の藤本 勝也氏(「以下 藤本氏」)に「MetaMe」の具体事例や、今後の展望に関して話を伺いました。

MetaMe(メタミー)」事例

 ―①メタサウナフェス―

百瀬氏:MetaMe」の最初のイベント施策が、20233月に実施した「メタサウナフェス」です。このイベントは、「MetaMe」の独自技術の一つである、“超多人数同時接続”を活用し、1万人が同じ仮想空間内で同時参加することでき、リアルに近い熱量を体験できる没入型の配信視聴体験を検証したイベントとなります。コミュニケーションの核となるテーマについては幅広い方が体験したことがあり、個人的にも資格取得してしまうほどの趣味である「サウナ」を選びまして、界隈で知らない人はいないであろう代表的なサウナーであるタレントさんやインフルエンサーの方々にご出演いただきました。また、配信コンテンツとしては一般のサウナーに自身のサウナ愛をピッチいただき、出演者だけでなく視聴者の方にも投票をいただくという形式で、没入型配信ならではのインタラクティブな体験設計にチャレンジしました。

藤本氏:ご相談を頂いたのが確か2022年で、“超多人数同時接続”の技術検証のための施策を行いたいというお話でした。addictでは、仮想空間であるメタバース上でのサウナをテーマにした没入型の配信イベントを実施するにあたり、企画、制作、運営をトータルでサポートさせていただきました。
フィジカルな体験であるサウナとバーチャルな世界である仮想空間という、ある種対極のものを融合した体験を提供するという中々難しいお題ではありましたが、UX視点で色々とスタディできたことや機能改善のポイントを得られたりと、MetaMeの機能をより良くしていくための示唆を得られるものになりました。

―②MetaMateグランプリ Vo.1ー

百瀬氏:MetaMe」が持つ技術をユーザーにとって価値ある体験へとつなげるための価値検証施策として実施しました。まずは、「MetaMe」の価値を最も感じていただけるお客様は誰かを改めて見直し、その対象として動画配信を中心に活動するVTuberさんにフォーカスしました。「MetaMe」のソーシャル機能として新たにリリースした「MetaBoost」を活用し、参加VTuberさんには、ファンと共に「MetaMeギルド」を組成してもらい、その「ギルドマスター」として活動していただきました。ファンである「ギルドメンバー」と協力し、3ヶ月間にわたり異なるテーマに挑戦してスコアを獲得することで“No.1ギルドMetaMate”を目指していただきました。そうした過程を通じて、自身のファンダムをより広く、より深く育てる体験を提供することを目的に、MetaMateグランプリ Vo.1”を開催しました。ご参加いただいた15名のVTuberさんは、事務所所属から個人の方まで幅広く、活動歴もさまざまでした。技術の価値検証と施策を並行して動かしていく状況の中、オフィシャルサポーターの皆さまにも今回のチャレンジへのご理解、そしてご協力をいただき、大いに盛り上げてもらいました。どうすれば「MetaMe」の技術を参加VTuberさんの課題解決に結びつけられるかを試行錯誤できたことは、技術の社会実装に向けた貴重な経験となり、少しずつではありますが着実につながっています。

藤本氏:こちらに関しても、「MetaMe」と親和性の高いVTuber界隈にターゲットを絞った形でのPoC的な価値検証を行いたいということで昨年ご相談をいただき、プロジェクトの企画、制作、運営をトータルで伴走サポートいたしました。
予算規模としても比較的大きく、技術検証とファン創造を同時に行うような形で約6ヶ月に渡るプロジェクト型の施策を行いました。
addict
としては、参加したVTuberの人たちにMetaMeならではの価値をいかに体感/実感してもらえるか、プロジェクト終了後もVTuberやそのファンの人たちにいかに「MetaMe」のファンとして定着してもらえるか、といった視点を意識して各種コンテンツの企画&体験設計をさせていただきました。結果として、「MetaMe」とVTuberとの親和性の高さが検証でき、イベント自体もファンの熱量を生み出す形で盛り上がったこともあり、更なるファングロースに向けて現在vol.2実施の相談を頂いておりまして、年内実施に向けて鋭意企画立案中です。

今後のaddict×「MetaMe」の取り組みの挑戦


百瀬氏:取り組みとして積み上げてきたものはありつつも、まだまだ「MetaMe」のサービス認知に加えて、裏側にある当社の技術がどのように生活者の方にとって役立つものなのかを知っていただけるようにならなければと思っています。メタコミュニケーション構想を実現するための場として、そこにどのような人が集い、何を体験してもらうかは設計次第だと思っています。パートナー様と広げていける領域だとも思っていますので、addictさんをはじめとしたパートナーの皆さまと共創を通じて盛り上げていきたいと思っています。

藤本氏:メタバース自体は、web3文脈での一時の盛り上がりは収束していますが、この先の「新しいコミュニケーション」というものを考えた時には、変わらず様々な可能性を秘めていると思っています。ただ、一方で本当に新しいコミュニケーションインフラにしていこうと考えると、膨大な体力が必要となることもあり、ベンチャーやスタートアップ企業では現実的には難しいだろうと思っています。
そういう意味では、企業体力もありつつ、同時にWeb3/AI領域などで様々な先端技術を有しているNTTドコモ様のような企業には、個人的には非常に可能性を感じています。
addict
としては、この先もファン作り/ファングロース領域での支援や仮想空間&リアル空間の体験融合、ADKの強みでもあるIPとの掛け合わせ等々、引き続きMetaMeの盛り上げにご協力していければと思っています。

今後ともaddictNTTドコモ様と「MetaMe」を通じて様々な取り組みを実施し、事業成長に貢献してまいります。
前編はこちらをご覧ください—

■MetaMeからのお知らせ
VTuber応援イベント「メタギフトラッシュ Vol.2」で活躍したVTuberさんのリワードライブ番組が9/23(火)に新宿の屋外ビジョンで配信。メタバースと屋外広告を組み合わせたインタラクティブ性のある新たな推し広告をご体験いただけたら幸いです。
・MetaMe公式X:https://x.com/MetaMe_Official
・プレスリリース:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000029.000141250.html

“Experience&Innovation Design“を掲げたクリエイティブブティック。クリエイティブビジネスの拡張にトライしながら、現在大きく3つの領域を中心に活動中。 
①ブランディング/コミュニケーションデザインといった領域。
②メディア以外を通してのブランド体験クリエイティブ領域。
③企業の新規サービス/新規プロダクト開発を支援するクリエイティブコンサル領域。


百瀬 元気 様
株式会社NTTドコモ R&D戦略部 社会実装推進担当 主査
電気通信大学大学院を卒業後、大手通信会社に新卒入社。モビリティ業界の法人営業に従事した後、MaaS(Mobility as a Servise)/スマートシティ領域の新規事業開発を担当し、スタートアップ出資や産官学コンソーシアムを通じた実証実験を推進。コロナ禍を機に地域産業支援として自ら起業による事業化を経験し、2022年より現職。MetaMeの立ち上げ期からサービス・プロダクト企画を担当し、2024年にはVTuber向けグランプリ企画「MetaMateグランプリ Vol.1」を開催。自らも運営スタッフVTuberとして活動する等、表現者を技術の力で支援するための活動に取り組む。

藤本 勝也
addict 代表 兼 Creative Director / Experience Designer
大阪大学卒業後、ADK入社。コミュニケーションプランナーとして様々なクライアントを担当。ADKと電通の出資によるクリエイティブブティック『Drill』の立ち上げにプランナーとして参画。ADKと1-10の出資による次世代型クリエイティブスタジオ『1-10imagine』の立ち上げに取締役として参画。2019年、ADKマーケティング・ソリューションズ内にクリエイティブブティック『addict』を立ち上げ、現在に至る。コミュニケーションデザイン/ 先端テクノロジーを活用した体験コンテンツ開発 /新規事業開発の伴走支援など、クリエイティブ力を核にしながら幅広い領域での体験価値創造に取り組む。

【本件に関する問合せ先
株式会社 ADKマーケティング・ソリューションズ
EXデザイン本部  addict 藤本
株式会社 ADKホールディングス
経営企画本部 PR・マーケティンググループ 根岸/大沢 e-mailmspr@adk.jp

 

 

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