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世界的危機は、世界的好機でもある。

ニューノーマル

UberAirbnbInstagramGithubなど、いまや世界で当たり前に使われているサービスが創業したのは、リーマンショック不況の真っ只中でした。さらに過去、マイクロソフトが誕生し事業を伸ばし始めたのは、 オイルショックと不況が重なる1975年ごろです。

「デジタル化を一気に進めたのは、政府でもコンサルでもなく、新型コロナウイルスだ。」という皮肉も言われていますが、コロナが社会に与えた大きくて強制的な変化をフラットに見ることができれば、健全な未来をつくるための兆しばかり。コモディティ化して飽和しつつあったマーケットの形をガラッと変化させたことで、起業家たちには突風のような追い風が吹きました。
この今もどこかで企んでいる起業家が、数年後にはGAFA並みの会社に成長している…というストーリーだって容易に想像できる気がします。
もちろん、起業するだけではなく、既存の事業存続にこだわらずにビジネスモデルを変化できる会社にも大きなチャンスがあります。 

もちろん例外なく、広告業界も変化していかなければいけないと思います。広告づくり・枠売り・プロダクション機能を超えて、広告クリエイターという職業やスキルは、どのようにピボットできるのでしょうか。
それはもはや、マス・デジタル・PRという時代の流れに応じた広告手法の議論ではなく、フィーで稼ぐ・利益率をあげる・時流に合わせてコロナ関連の企画をする、などの短絡的なビジネス論でもない。広告クリエイターの価値を再定義してみたいと思いました。

2年ほど前、ADKにレイ・イナモト氏がいらっしゃった時に、話を伺う機会がありました。広告クリエイターがコンサルに勝てるとしたら「突破口を見つけるのが早いこと」と断言していました。課題探しや綿密な計画でなく、僕らの特技は明確に突破口の発見。それは、広告か、サービスか、事業・企業のボトルネックはどこにあるのか?を素早く発見し、複雑で難しい課題を単純化させて簡潔な表現に変換する筋肉を、15秒映像や1行コピーの制作を通して鍛えてきたことは素晴らしい能力だ、ということでした。

ブランドづくりの話ができるのに、今は結果的に広告づくりにしか生かされていない。突破口を作れる広告クリエイターだからこそ、自分の目線とレイヤーをあげて、事業・プロダクト・サービス全般をクリエイティブで解決するということに挑戦できる好機かもしれません。

さて、そんな僕は現時点で新しい事業を作れているわけではないのですが、話を変えてコロナ禍にやった仕事の事例を紹介します。
freee株式会社とともに取り組んだプロジェクトです。もともとfreeeは事務管理(主にバックオフィス)を効率化するためのSaaS型クラウドサービスを提供する会社です。
今回は自発的に売り上げのためではなく、#取引先にもリモートワークを」という活動をされました。自社目線ではなく、相手のためにリモートワークを続けようという発信をされており、それをさらに広げていくというタイミングでnavyが企画パートナーとして入りました。

161日、緊急事態宣言明けの月曜日。出社が解禁される企業が多くなるだろうというタイミングで、カウンターを当てるようにこの宣言文を出しました。
費用面で広告メディアは使えなかったので、数十社の賛同企業の善意で、PRリリースや公式SNSアカウントから画像を発信してもらいました。

21021日、freeeADKnavy3社が共同で、一般社団法人ビズ・ディスタンス協会を立ち上げました。リモートワークだけが正解なのではなく、ビジネスにおいての最適な距離感を考えるための団体です。オンラインで効率化しながら、会うことの価値を再定義し、誰もがまだまだ模索している、心地よい距離感に新しいヒントを作っていく。そんな活動を広めていきたいと思っています。



New Normalという言葉も形骸化し、人々の暮らしやルールが大きく変わりつつあるのは、世界中の誰もが自覚しています。

客が全く来ない…という大きな危機感を経て、様々な飲食店が店内飲食だけではなくテイクアウトや宅配を当たり前に取り入れました。
一方で、即倒産という危機感がない中で、従来のスタイルをマイナーチェンジ続けるのではなく、広告クリエイター自身が変化し、課題解決のためのアウトプットの引き出しを、広告を使わずして解決するという仕事のピボットに挑戦する価値はあると思います。(その1つは事業づくりかもしれません。)

ビジネスの世界的好機を捉えて価値を再定義し、私たち自身が既存の広告づくりにとらわれずに、どう自分の価値を変えていけるのか?を、自分自身の仕事を通して、今後実験していきたいと思います。

navy, inc   Experience Designer / Creative Director

navy, inc   Experience Designer / Creative Director

才川翔一朗
2012年ADK入社。2019年にnavy立ち上げに参画。手段を問わないニュートラルなクリエイティブ発想で、世の中にニュースをつくることが信条。

■navyについて
コミュニケーションの手法が多様化し、プレイヤーが乱立している昨今の広告業界においては、「領域ごとにプロジェクトが分断してしまう」「チーム編成が複雑になる」といった課題が浮き彫りになってきています。これに対し、navyは、マスコミュニケーションから消費者の具体的な購買行動までのPDCAも含めたコミュニケーション全体にワンストップで対応し、ブランドの継続的なパートナーとなります。
1職種1名といったミニマムなメンバー構成で機動力を高め、マスからPR・プロモーションに至るまで領域を問わずスピーディーなプランニングと実行力で最適解を提供します。
https://navynavy.jp/

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