4つの軸を統合して、
生活者の豊かな体験をつくり出す。

エクスペリエンス
プランニング​
エクスペリエンス・デザインセンター
EXプランニングユニット長
和久井 鉱一

戦略と戦術の統合で得られた、仕事の手触り。

入社して最初に配属されたのはマーケティング部でした。その後、ストラテジックプランニングに改組され、さらにプロモーションの一部が合流し、戦略から戦術までを一気通貫して対応するコミュニケーションプランニングが立ち上がって、そこにJoinしたんです。当初からやりがいは感じていましたが、その反面、少し物足りなさを感じることもあって。担当するのはプレゼンに向けて戦略を立てるところまでで、その後はノータッチになってしまっていたんです。自分が携わったものがどのように形になっているのか実感がなかったんですよね。戦略の先にイメージしているターゲットの反応も体感できないし、クライアントとの接点も少ないので距離が縮まりません。正直、クライアントと密にやり取りする営業やクリエイティブスタッフがうらやましかったです。

なので、コミュニケーションプランナーという立場で、戦略と戦術の統合を始められたことは大きなターニングポイントになりました。実際にイベントの現場に立つなどして生活者とリアルに触れ合う機会が生まれ、ようやく仕事の手触りが感じられましたね。“一人代理店”というと大袈裟かもしれませんが、市場分析からターゲッティング、コンセプトから企画への落とし込み、そしてエグゼキューションまで担当し、時代とともに変わりゆくクライアントニーズに応えるプランニングに従事しました。これが今につながる経験であり、大きな資産となっています。

2018年からデジタルを含むメディア部門と同じフロアに異動したのもターニングポイントの一つです。オンラインとオフラインの統合に向き合うきっかけになりましたから。自然と意識も行動も変わりました。デジタル/データ関連の知識が吸収できたこともあり、真の意味で戦略に沿ったメディア最適化を考えられるようになったと感じています。

育成型マーケティングには、大きな可能性がある。

今は、ADK CONNECTが提供するソリューションの一つである、フルファネル発想での顧客体験デザインの取り組みを強力に進めているところです。フルファネル*は左と右の2つのファネルから構成されており、前者は高い精度で見込み客を捉えてコンバージョンへと駆り立てる「獲得型マーケティング」、後者は顧客ごとに最適化された体験を提供し、ファン化を目指す「育成型マーケティング」で、両者の統合、そして循環構造をつくり出せるかが課題です。これまで広告会社の主戦場とされてきたのが、左側へのアプローチで、認知・理解・検討・コンバージョンという一連の流れが整理されており、ノウハウも十分にあると自負しています。

対して右側の「体験の提供によるファン化」の実績・知見は乏しく、どんなレイヤーになっているかすら見えていない未知数の状態といえるでしょう。ですが同時に、手つかずだからこそ未来への大きな可能性を秘めていると考えます。現在、私のチームではグループごとにテーマを割り当て、事例をスタディするなどして週次でディスカッションを行い、実践に向けた準備を進めています。間もなく実戦投入できるレベルに到達するので、今後の課題解決に向けた提案に積極的に盛り込んでいく予定です。

クライアントが保有するデータには顧客のロイヤリティ向上に資する大きな力が眠っているので「その活用をADKに任せたい」と思ってもらえるよう実績を積み、信頼を得ていきたいですね。それがクライアントとADK、そして生活者との“Win-Win-Win”の関係性構築につながると思っています。

これからのブランド開発は、生活者が主語。

データ活用は精度を高めるための重要なアクションですが、果たしてそれだけでよいのだろうか? という課題認識があります。データから導かれる戦略は確実性が高い一方で、「人の心理」を汲んでいないものになってしまうことがままあるんです。情報やコンテンツの受け手は人間で、時に不合理な選択もしてしまいますから。

我々ADKは “歓びの体験の提供” を標榜しており、データを活かしつつ、人の気持ちの部分にも寄り添っていくことが非常に重要だと感じています。だから統合ソリューションディレクターは、“アート&サイエンス”といわれるように、アイデアとデータを統合した戦略・戦術を組み立てるべきだと考えています。データ分析・解析の結果を人の気持ちを考慮しながら読み解き、さらにそこからジャンプして生み出されたアイデアは多種多様で変化に富んだ、心に訴えかけるパワーを持ち得るんです。その創造こそがADKの存在意義だと思っています。データマネジメントだけの目線なら他の選択肢も沢山あるので、わざわざADKに依頼する必要はありませんからね。

商品やサービスが高い水準でコモディティ化している今、機能的価値や情緒的価値だけでは優位性を打ち出せなくなりました。そして様々な情報も飛び交い、生活者はどれを選べばいいかわからなくなっています。今まで戦略の主語は「ブランド」で、何をどう伝えるかという目線で話をしていました。ですが、これからは主語を「生活者」へと転換する必要があります。「商品やサービスを見た瞬間、手に取った瞬間、使った瞬間にどんな体験を提供できるか」を指針にするんです。戦略と戦術、オンラインとオフライン、ファネルの左右、データとアイデアという4つの軸の統合を行い、生活者の豊かな体験をつくり出していきたいと思います。

*フルファネルのイメージ図