ブランドの価値性から生まれる、
豊かな顧客体験を創出する。

エクスペリエンス
デザイン​
エクスペリエンス・デザインセンター長白田 健彦

すべての起点は、商品やサービスにある。

ADKの前身である旭通信社に入社し、今でいうアクティベーション業務からスタートしました。キャンペーンやイベントの企画など、セールスプロモーション領域が出発点ですね。
その後、プロモーションやキャンペーンなどのプランニングを経て、全体の設計を考えるコミュニケーションプランニングも担うようになりまして。キャリアを積むにつれて、戦略的な領域にも関わるようになったんです。結果的に、マスコミュニケーションから店頭まで、さまざまな施策をまとめる統合ソリューションディレクターのポジションに近い仕事をするようになりました。

そんな中で、ブランド開発や、表現開発、コミュニケーション開発において、私のバイブルとなる仕事に出会うわけです。
大手メーカーのある生活用品に携わったときのことで、クライアントと一体となって生活者にブランド価値を浸透させていくプロジェクトでした。もう10数年経ちますが、いまだに忘れられないのが、商品のパッケージに企業のシンボルマークを使う提案が行われたときのお話です。

「消耗品に大切な企業のシンボルマークを背負わせるのは正しいのか」というクライアントの声が出たとき、ご一緒していたクリエイティブディレクターが「老若男女問わず幅広い人が手に取る生活用品こそ、ブランドの価値が広く世の中に浸透するということ。消費者に一番手に取りやすい身近な商品にこそ、ブランドの想いを込めるべきです」といったんですね。
そうか、コミュニケーションの起点は商品やサービスそのものにあるんだと改めて思いました。顧客体験デザインなどといいますが、今もそれは不変の原点なんでしょうね。

ブランドマーケティングと、デジタルマーケティングの融合へ。

その仕事を終えて、ふと世の中を見渡してみると、デジタルの波がすっかり押し寄せてきていたんですね。ブランドマーケティングの世界にはどっぷりつかっていましたが、デジタルには触れていなかったので、急激な変化に正直戸惑ったというのが本音です。ただ、そうしたタイミングで、「デジタルマーケティングはテクノロジーのマーケティングでもあり、ADKが目指す姿は、テクノロジーと、クリエイティブやブランディングの統合でもある。ブランドを起点にしたコミュニケーション開発と、デジタル・データマーケティングの融合に取り組まないか」という話が出まして。

いうなれば、デジタル・データによる最適化・効率化の追求という「サイエンス」の領域と、生活者の心を震わすようなブランドの価値づくりやそのためのブランドコンテンツづくりという「アート」的な領域を統合するというお話が出たのです。
今対峙しているエクスペリエンスデザインという命題はまさにそれだと認識しています。ブランドへの興味や関心を掻き立て、スムースな購入への導線をつくり出し、そのブランドが自分にとってかけがえのない存在として愛されるようになるまでを導いていくことが大切です。さらに、ターゲットをデジタルで子細に補足しながら、ブランドと強い絆を結んでいただくために、心の琴線に触れるようなブランドの価値強化にも目を向けなければなりません。

優れた顧客体験デザインとは、長く愛用されるブランドをつくることであり、エクスペリエンスデザインという部署は、それを体現する役割を担っていると思っています。「どういう体験を提供するブランドなのか」を見極め、規定し、あるときはその価値自体を高めるアイディアを提供し、あるときはメディアに、あるときはソリューションに乗せていくというやり方です。
最近ではコミュニケーションに留まらず、たとえばD2Cブランドの立ち上げといったクライアントにとっての新しいビジネス開発の領域にまでご支援の幅は広がってきています。

広告コミュニケーションの枠を超えて。

顧客体験をデザインするというADKのテーマと向き合ったとき、一番重要なのがブランドとして提供する価値はなんなのか?に立ち戻ることだと考えています。ブランドに共感し、好きになってもらう価値性がコアにあるべきです。

それは決して、モノとしての良し悪しだけとは限りません。思想や世界観がその因子となって、顧客との絆を生み、さらに心を掴み続けていくのだと思っています。そして、そのブランドならではの価値を増幅していくために、コミュニケーション戦略やクリエイティブ、ソリューション、コンテンツ開発などあらゆる手法をマージしていくのが、エクスペリエンスデザインセンターという部門の持つ役割なのでしょうね。

今、私がマネジメントする部隊には、専門性の異なる6つの組織があり、さまざまなスペシャリティを持つスタッフがいます。たとえば、新しいブランドを世に送り出すというテーマと対峙したとき、どのようなターゲットに、どんな価値を提示すべきかを策定するプランニング、そしてそのブリーフを元に、オンライン・オフラインを問わずに表現やコンテンツを創り上げるクリエイティブ、さらに、デジタルネイティブな現代社会において、いかにブランドの価値に耳目を集め、その価値をドライブさせるかをプランニングし、精緻な運用オペレーションを実現するソリューションチーム、加えて、オンラインでの購買行動から、CRMまでもご支援するeビジネスの領域までワンストップで対応できるんです。

生活者を取り巻くあらゆる体験接点をマージし、アイディアも含めて、エグゼキューションとして昇華できるのは、総合広告会社としての背景を持つADKならではの強みといえるでしょう。クライアントの課題に対して、さまざまなスキルを組み合わせて、ブランドの価値づくり、価値強化からご支援させていただく、ということが今後の我々の方向性の一つだととらえています。従来の広告コミュニケーションの枠組みでは、豊かな顧客体験はきっと生み出せませんからね。