クライアント、ユーザー、ADK。
そのすべてに価値をもたらす。

デジタルメディア
プランニング
清家 直裕

激しく移り変わるデジタルの先端に、身を置いてきた。

デジタルメディアプランニングのキャリアが長いですが、スタートは別の広告会社で、営業だったんです。新聞のプランニングやイベントを担当するなど幅広く手がけながら、インターネット普及の波とともにデジタルの世界に足を踏み入れました。ADKに入社したのは2002年です。当時はADKのデジタル黎明期で、5、6人しかいない部署でした。

デジタル広告を中心としたデジタルマーケティング領域に10年ほど携わり、その後、SNSを提供する事業会社、パブリッシャー側へ転職したんです。ちょうど世の中のデバイスが、ガラケーからスマホへとシフトしていく時期でした。スマホを主戦場として、どうサービスをマネタイズしていくか、今までなかった領域へ挑戦する醍醐味がありましたね。

また、SNSも新しいものがどんどん出てくるタイミングで、ユーザーが離れていくという状況にも直面しました。時代の寵児のようだった会社が縮小を余儀なくされたのですが、大ピンチの状況から再び上昇のチャンスを掴むところも目の当たりにしました。行動に移す大切さや意志の強さ、実行力を持って取り組めば逆転できるということを痛感し、それは私の今のスタンスを生み出してくれたかもしれません。

そうこうしていると、今度はアドテクという言葉が登場してきたんです。そこで、次のステップとして動画のDSP、つまり広告プラットフォームに従事できる会社へ転職しました。デジタルの潮流や変化は激しく、SNSなりアドテクなりそのときの流行を実務として経験していきたいという想いがあったんです。

ADKの外に出たからこそ、築けた独自のネットワーク。

ADKは総合広告会社ですが、SNSの会社も動画のDSPの会社も、それぞれその領域の専業です。特化した提案をできる反面、クライアントの課題解決に対するソリューションという面で見ると、カバーできる領域は限られてしまうことも多いです。その気づきを経て、広い視点でプランニングができるADKの方が、自分の志向やスタンスには合っていると思い復職したんです。ADKと別の世界に身を置けたのは、今の自分にとって非常に大きい財産になっていますね。

たとえば、エンジニアの方やサービス開発の方たちと関わることができたのもその一つです。ADKではなかなかつながりを持てない方たちの思考やプロセス、ビジネスの方法を知ることができただけでなく、今でも続く関係性を築けました。最先端のアドテクを共有してもらい、それを自分のクライアントのプランニングへ活かすことができています。デジタルの進化は速いですから、すべてを把握するのは難しいんです。だからこそ、各専門家たちとのルートがあると非常に心強いんですよね。新しいテクノロジーやサービスが出てきたときに、気軽に相談できますから。それがクライアントにとって有益であれば、新鮮な提案につなげることができます。

私の率いるデジタルビジネスプロデュースセンターは、デジタルメディアを起点にしていますが、決してその領域だけにとどまりません。マーケティングという視点でビジネスをトータルにプロデュースしていくために、アイデアやソリューションなどを最適かつ柔軟に組み合わせています。ネットワークの広さは非常に重要なんですよ。

意志と実行力を武器に、変化を楽しむ。

いくつかの外資系クライアントに向き合っていますが、メディア、ソリューション、アドテクなどをフルに活用しながらいかにスピード感を持ってPDCAを回して目標に進んでいくかが常に求められていますね。クライアントに寄り添い、伴走し、ともにビジネスを拡大し続ける姿勢が欠かせません。

特に大切にしているのが、3つの数字です。我々はクライアントのお金を預かるわけですから、課金であり、投資です。ミスのないオペレーションは当たり前であって、まずはそのお金を大切に意識すべきです。そして、託してよかったと思えるパフォーマンスを結果として出さなければなりません。それがクライアントの売り上げや利益の向上に貢献するとともに、ADKのフィーになるわけですから。クライアントから始まり、エンドユーザー、我々の三者にとって喜びのあるプランニングこそが「すべての人に、歓びの体験を」というADKのパーパスにつながると考えています。

これまでデジタルメディアはフルファネル*でいう左側、つまり見込み顧客の「獲得型マーケティング」をメインとしていましたが、今後は獲得した顧客をファンにしていく「育成型マーケティング」を見据えなければなりません。データ、テクノロジー、ソリューションを統合的に組み合わせたプランニングが重要です。ADKには、マス広告やプロモーションなどのオフラインの領域の力もあります。かなりチャレンジングな取り組みですが、変化を楽しめないとおもしろくないですからね。意志と実行力を武器に、突き進んでいきたいと思います。

*フルファネルのイメージ図