個々の専門性を統合し、
クライアントビジネスへの貢献度を底上げする。

IMCマネージメント 板谷 康平

ADKというチームのパフォーマンスをどう高めるか。

これまで、常に広告会社でキャリアを積んできたんです。大手車メーカーのメディア、リサーチ、キャンペーンプランニング等を担当した後、ストラテジックプランニングとクリエイティブを兼務したような部署も経験しました。ADKに入社してからは、営業として外資系のクライアントをはじめ、メディアやブランドのAEとして、統合戦略プランニング、クリエイティブ、メディア、リサーチ、イベント等、営業という立ち位置を含めて多面的かつ統合的な役割を担ってきました。特にADKで基幹ブランドのAE担当経験と外資系のファッション、コスメ、ジュエリー系のクライアントと向き合ったことは大きかったですね。
外資系ファッションブランドの担当だったとき、周年のコミュニケーションでグローバルの音楽専門チャネルと組んだことは忘れられないプロジェクトです。番組制作のために、上海、香港、ソウル、東京といったアジアツアーにカメラマンとともに帯同しました。営業というよりかはある意味プロデューサー、ディレクター的なところを意識して、特にクライアントとの伴走を心がけていましたね。

今は、営業力にとどまらずADKという会社のパフォーマンスをどう上げていくか、いかにして底上げを行うかをミッションに取り組んでいます。デジタル、データ領域を中心にコミュニケーション領域もかなりのスピードで変わってきていますから、当然我々自身も変化していかなければいけないですし、時代にどう適応していくか、さらに先を見据えるかというのが非常に大きなテーマです。我々がこれまで培ってきたさまざまな専門性とそれをどう統合していくかという2本柱の目線が、特にこれからの広告会社、いわゆるコミュニケーションに携わる人間としては不可欠だと思います。

3つの要素を掛け合わせて、クライアントビジネスに貢献する。

ADKの存在価値やユニークネスを生み出していくためのチームづくりに、経営学者H.ミンツバーグ氏が語っている「Art(創造)×Science(分析)×Craft(実践)」という考え方を強く意識しています。このすべてを個人個人で内包できれば理想的ですが、なかなか難しいのが現実です。だからこそ、それぞれの強みを統合して、チームとして連携していくのが非常に大きな課題だと思っています。

今、時代は「Science」の領域が非常に大きくなってきていますが、それをどう伝えるかという「Art」、つまりターゲットの心をとらえて動かすものを提供できること、そして実行できる「Craft」という実現力、経験値が欠かせません。この3つの要素をどうしっかり組み合わせてやっていけるかが、今こそ我々広告会社が求められている大きなポイントなのではと日々の仕事の中で感じています。「Science」を中心に進化し続け、「Art」、「Craft」の領域では長年我々が培ってきた価値をさらに活かしていかなければなりません。やはり人にどう伝えるのか、どう動かすのかというノウハウは我々の基盤となります。

統合ソリューションディレクターとして私がベースに思っているのは、クライアントに対しどういうチームを組み伴走していくのがベストなのかということです。他の統合ソリューションディレクターそれぞれの強みを掛け算して、より魅力的なチームづくりを実現していきたいですね。
エージェンシーの役割も変わってきました。だからこそ、「Art×Science×Craft」という価値をワンストップで提供できるということが大切だと思っています。

提案の質と精度を高める、新たなプラットフォーム。

クライアントが求めているのは、最終的には何を得られるか、どうビジネスに貢献できるか、ということであると最近より一層感じています。同じ方向を見つめ、進んでいくためには、熱量というか情熱があってこそ初めて意識というものが生まれるのです。AIが進化しても、まだまだ大きなディレクションや判断は人間の仕事だと思います。
だからこそ、個人個人の力を十分に発揮できる仕組みが欠かせません。自らの専門性を高めていきながらも、同時にその領域において、強い人間が誰なのか、自社の強みを出せるかというネットワークや知見も必要です。全体を見渡せる、クライアントのビジネスコンディションがどうなっているかという目線を持ち、常に学び続けていかなければいけません。+αの価値を提供し続けるからこそ、本当の意味でのクライアントパートナーシップをリードしていけると思っています。

現在、提案の質や精度の向上をサポートしていくための新たなプラットフォームをつくっている段階です。我々が提供するもののレベルアップが、クライアントへの貢献度を高められる礎になりますから。ADKの中で点在しているパフォーマンスを、統合することでより強く、有機的にしていきたいですね。
俯瞰的な視点を活かしたルールづくりや、そこでの学びというのもどんどんスピーディーに共有することも、私の考える統合ソリューションディレクターの役割の一つです。「Art×Science×Craft」の掛け合わせを基盤に、クライアントビジネスへの貢献度の底上げをお手伝いしていきたいと考えています。