複数のソリューションを統合して、
発見した課題と向き合う。

DX/CX
コンサルティング​
藤田 岳志

事業会社、経営層、生活者の3つの視点。

ADKに入社する前は、異業種で働いていたんです。1社目はクレジットカード会社で、データを駆使してソリューションを導き出すデータドリブンマーケティングに携わり、ポイントプログラムの設計などに携わっていました。2社目はフィンテック企業で、マーケティングコンサルタントをしていたんです。ITシステムとマーケティングの間を行き来するような仕事が多かったですね。

ADKに入社したのは、もともと広告に興味があったからというのと、キャリアを考えたときに、1社目は事業会社の現場を、2社目はコンサルタントとして経営層と向き合いましたので、あとは生活者の視点を学ぼうと思ったんです。この3つがわかれば、あらゆる人の立場を経験することができると考えたんですね。入社直後はボディコピーに句読点を付けるか付けないで30分以上議論する場面を見て、カルチャーショックを受けました。それまでデータに多く触れていたので、裏付けのない議論に驚いたんです。もちろん、今ではデータで裏付けできない領域の重要性も理解していますよ。

ストラテジックプランナーとして戦略立案に携わっていたのですが、私は元々フルファネル*でいう「育成型マーケティング」がベースにありました。金融は直接顧客とつながっているビジネスです。なので、すでに顧客となっている人のデータから見込み客を動かす、つまりもう一方のファネル「獲得型マーケティング」を逆算して考えるやり方がしっくりきたんです。その後、全社的にデジタル領域へ注力していくということで、データドリブンマーケティングや社内外でセミナーを担当するようになっていきました。

マーケティングで見えてきた答えに、ITの力を。

現在は、IBMとの共同事業であるalphaboxのマネージングディレクターとして、マーケティングとITを掛け合わせてクライアントの課題解決を図っています。あるプロジェクトでは、顧客のポートフォリオなどの分析からプランニング、コンテンツ開発までをマーケティングで行い、それをターゲットに届けるときにITを活用してより効果的に届けていく仕組みを整えました。IBM の若手社員さんは、「alphaboxが成功しなかったら辞める」というぐらいの熱意で、身が引き締まる想いですね。

主に3つの軸で事業を展開しています。一つ目のサービス開発は、実はADKが強化したい領域といえると思います。フルファネルに入るまでの最初の商品・サービス設計を行うんです。 そして、ADKとIBMのそれぞれの強みを掛け合わせるCXが二つ目の軸です。我々はマス&デジタル広告の「ペイド」とSNSなどの「アーンド」を、IBM側はクライアントが抱える「全オウンドメディア」をコントロールします。オウンドメディアはWEBサイトやアプリはもちろん、店舗やセールスマン、コールセンターといったクライアントが抱えるチャネルすべてを指します。一つ目の軸のサービス開発とリンクしていて、IBMが担当するオウンド部分をいかに活かしていくか、その設計を手掛けているわけです。三つ目の軸は、UX設計です。CXを設計にするにあたって顧客体験の価値を向上させるために、アプリやウェブサイトなどを手がけています。

ぶつかりあって、楽しみながら、+αの価値を。

alphaboxのメンバーには、「未来を見据える」「実現化にこだわる」、そのために「領域を超えて協働する」「一致団結する」、そして一番重要なそれらを「楽しむ」という5つのバリューを大切にしてほしいと考えています。案件によって適切な専門家をアサインするので、毎回メンバーが違うんです。さまざまなスペシャリティが領域を超えて、ぶつかりあって、+αの価値を生み出す環境を楽しんでほしいと思っています。

統合ソリューションディレクターは「統合」「ソリューション」「ディレクター」の3つの単語から成り立っていますが、私が一番重視しているのはソリューションです。ソリューションの前には必ず課題があり、まず課題を発見することが大事で、それが見つかれば、議論するべき論点を抜け漏れなく整理して潰していき、解決策を見つけていきます。ソリューションを複数組み合わせてアプローチするケースも多く、ディレクターが統合しなければ有機的に機能しません。クライアントの複数の部署を横断することもあり、そのコントロールも大きな役割だと思っています。 また、具体的なソリューションを抽象化して汎用化を図ることを大切にしています。そうすると再現性が持てるので、他の課題にも応用できるようになりますからね。会社もスキルもバックボーンも異なるメンバーが組んで、それぞれが今までとは違うやり方を学ぶのって、ものすごく刺激的でおもしろいですよ。

*フルファネルのイメージ図